阿波十郎兵衛屋敷
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鶴亀の庭

  • 屋外
  • 徳島県立阿波十郎兵衛屋敷の日本庭園は「鶴亀の庭」と呼ばれ、江戸時代(1603-1867)にこの地の庄屋であった板東十郎兵衛によって造られたものです。当時の屋敷の一部として整えられ、現在もその姿をよく残しています。

    庭の中心的な見どころは、鶴の形に仕立てられた二本の木です。丁寧に剪定されたその姿は、静かに羽を休める鶴を思わせ、優雅さと長寿の象徴とされています。

    池の中には、島が一匹の亀を、池の左側にある特徴的な岩がもう一つの亀を表しています。これらは大地をゆっくりと進む亀の動きを暗示しており、穏やかで忍耐強い生命力を表現しています。鶴と亀は日本の伝統的な吉祥の象徴であり、長寿と幸福を意味します。

    庭内には黒松や青みを帯びた石が美しく配置され、自然と人工の調和が保たれています。庭の周囲を囲むのは「練塀」と呼ばれる土壁で、伝統的な屋敷構えの趣を伝えています。

    丁寧に保存・手入れが施されたこの庭園は、当時の美意識と自然観を今に伝える空間です。訪れる人は、自然と造形の調和を感じ取りながら、静謐な時間を味わうことができます。